ハワイで通訳・翻訳をするということ
〜観光だけじゃない、ローカルに根ざした仕事の現場から〜
ハワイで通訳・翻訳の仕事をしていると、観光地のキラキラとはまた違った、
じんわりと沁みるような“ハワイの顔”に出会うことがあります。
今日はそんな通訳・翻訳の日常をちょっとだけおすそ分け。
「ハワイの物語」に触れる
通訳のお仕事でお会いする日本語話者の方々、
みなさんそれぞれの「ハワイの物語」を生きてこられた方ばかりです。
「戦争花嫁としてハワイに来たのよ」と話してくださったご婦人。
ご主人は日本語が話せない。奥さまは英語が苦手。
でもふたり、何十年も支え合ってきたのです。
なかには、
「もう何十年も日本に帰ってないのよ」
「日本語で話せる相手、最近はほんとに少なくて」
とおっしゃる方も。
ハワイでの暮らしが長くなり、日本との縁が少しずつ遠のいて、
それでもお互い支え合って生きてこられたご夫婦の姿には胸が熱くなります。
コミュニケーションをアウトソーシングする
一方で、ハワイと日本を自由に行き来されている方々もいらっしゃいます。
「先週は日本に行ってて、来月もまた行くんだよ」なんて、聞いているだけでうらやましい。
そういう方々は、英語もバッチリ。
翻訳アプリや日常英会話を駆使して、
ハワイ生活を軽やかに謳歌されています。
でも、ときどきこう言われます。
「こういうちょっと大事な場面だから、やっぱりプロにお願いしようかと」
「無料で使えるサービスなら、せっかくだし使ってみようと思って」
アウトソース的に、さらっと通訳・翻訳を頼んでくださる。
そんな軽やかさも素敵だなぁと思います。
病院、裁判所、不動産の手続きなど——
日常生活では何とかなるけど、 “ここぞ”という場面で言葉の壁を感じることは、きっと誰にでもあるのだと思います。
通訳の活用法
ハワイで通訳・翻訳をしていて思うのは、
「ハワイに住んでいる日本人」と一口に言っても、本当にいろんな方がいらっしゃるということ。
🌴 ビジネスをたちあげようと頑張っておられる方
🌴 英語が苦手でも、人との関係で生きてこられた方
🌴 デュアルライフを自由に楽しんでいる方
🌴 アメリカ人として、新しい人生を歩んでおられる方
🌴 日本に帰りたい、でもここに残らなければいけない事情のある方
それぞれの「英語とのつきあい方」が違っていて、
それがまたハワイという土地の懐の深さでもあります。
言葉の壁を乗り越える
ある方は、
「英語はわからないけど、その分人のお世話になって、その分私もできることをして、そうやって築いた人間関係が財産やわ」
と笑っておられました。
ほんと、それってすごい力だと思います。
言葉の壁って、思ったより“厚くない”のかもしれません。
でも、英語と日本語の「間」に立つ通訳・翻訳という仕事だからこそ、
見えてくること、感じることもあります。
たくさんの人のハワイでの暮らしに、ほんの一瞬おじゃまして、
その人の声や思いを英語に、日本語に訳していく。
ハワイで翻訳をしていると、人生の数だけ英語がある。
そんなふうに感じる日々です。
